日本映画祭

平成28年7月12日
 在ラトビア日本国大使館は,国際交流基金及びKino galerija(本映画祭会場の運営会社)との共催で、2015年2月26日(木)より3月1日(日)までの4日間、映画館「K. Suns」(リガ市、エリザベテス通り 83/85)において日本映画祭を開催致しました。連日,多くの来場者で賑わい,来年も開催されることを期待する旨の声が多く寄せられました。
 

会場の様子

上映映画概要

2月26日(木) 18:00~

タイトル: 青い春
監督: 豊田 利晃
製作年: 2002年
上映時間: 83分
解説: 阪本順治の『王手』『ビリケン』の脚本・助監督を務めた豊田利晃の3本日の長編映画。人気漫画家、松本大洋の作品の初映画化。閉塞感を抱きながら退屈な高校生活を過ごす九條(松田龍平)や幼馴染みの青木(新井浩文)ら新3年生は、卒業式の校舎の屋上で柵の外枠につかまって手を何回たたけるかというベランダゲームをしていた。この勝者が学校を仕切るという伝統のゲームで、九條は8回という歴代最高記録をたたき出す。だが彼にとってこのゲームも、学校を仕切るということも無意味で面倒臭いことだった。彼の態度に煮え切らない思いを抱いた青木は、髪型も態度もがらりと変える。ある朝、校舎の屋上に立つ青木。彼はひとりでベランダゲームを始める。不吉な予感に駆られて屋上へ駆け上がる九條。彼が屋上のドアを開けた瞬間、青木の身体は柵から離れていった。13まで数えたところで、青木は校庭に叩き付けられた。
 
©Taiyo Matsumoto / Shogakukan "Blue Spring" F.P. 2011
©Taiyo Matsumoto / Shogakukan "Blue Spring" F.P. 2011
 
2月27日(金) 18:00~

タイトル: 新・仁義なき戦い/謀殺
監督: 橋本 一
製作年: 2002年
上映時間: 110分
解説: 深作欣二によって名高いシリーズの12作目。本作品は、これが初監督となる橋本一の手による。尾田組の若頭が殺され、兄弟分の矢萩(高橋克典)と藤巻(渡辺謙)が二代目候補として挙げられる。本家佐橋組若頭の杉浦は尾田に引退を迫るが、組長の座に未練がある尾田は、藤巻と矢萩を争わせ両方を漬そうと考える。そんな中、藤巻は名古屋の都市開発の巨大利権を巡り、竜紋会と抗争を始める。竜紋会会長の前田は関東道明会理事長の渡会に助けを請うが、渡会は杉浦と結託し、尾田組と竜紋会を乗っ取ろうとする。すべてに気づいた矢萩は、渡会を殺し、杉浦を脅迫して尾田組の存続と自分と藤巻の身の安全を守ろうとする。だが矢萩に裏切られたと思い込んだ藤巻のヒットマンに殺される。矢萩が裏で自分のために動いていたことを藤巻が知ったのはその後だった。
 
©Toei Co.,Ltd.
©Toei Co.,Ltd.
 
2月28日(土) 24:00~

タイトル: 犬猫
監督: 井口 奈己
製作年: 2004年
上映時間: 94分
解説: 東京近郊の静かな街の一軒家で、ひょんなことから一緒に暮らすころになった対照的な女の子の日常を優しく丁寧に綴る。ぴあフィルムフェスティバル2001で企画賞を受賞し、8mmながらもレイトショー公開されて話題を呼んだ「犬猫」を、井口奈己監督が自身の手でリメイク。
 
©Inuneko Film Partners
©Inuneko Film Partners
 
2月28日(土) 17:00~

タイトル: 松ヶ根乱射事件
監督: 山下 敦弘
製作年: 2006年
上映時間: 112分
解説: 90年代初頭の田舎町で巻き起こる騒動と、双子の兄弟の葛藤、彼らを取り巻く人間模様を描くブラックコメディ。事件などない静かな町、松ヶ根で畜産業を営む鈴木家の息子、光太郎(新井浩文)は警察官、双子の兄・光(山中崇)は気まぐれに家業を手伝っている。ある日、松ヶ根にやってきたカップル・西岡(木村祐一)とみゆき(川越美和)の登場を機に、この町のバランスが微妙に崩れていく。みゆきをひき逃げした光は西岡から恐喝され、家出中の父親(三浦友和)は近所の理容室の娘・春子を妊娠させる。松ヶ根に静けさが戻りつつあった春、春子には無事に赤ん坊が生まれ、父は祖父の死をきっかけに家に戻り、光太郎は交番に度々現れるねずみの退治に勤しんでいた。そんな折、突如、松ヶ根に5発の銃声が響く。
 
©2006 Siglo/Bitters End/Vap
©2006 Siglo/Bitters End/Vap
 
2月28日(土) 20:00~

タイトル: 笑う蛙
監督: 平山 秀幸
製作年: 2002年
上映時間: 96分
解説: 夫・倉沢逸平は一流銀行の支店長、妻・涼子は素封家の娘だった。しかし、9年の結婚生活の後に夫は不倫、横領、そして失踪という転落の人生を辿る。一方、妻は世間の目から逃れるために伊豆にある実家の別荘へと移り住む。そこがこの奇妙な物語の舞台となるのである。今や夫と妻とは互いが最も顔を合わせたくない存在だった。しかし、警察と世間から逃れようとする二人が思いついたのは、奇しく同じこの別荘であった。妻は、離婚届を書くことを条件に夫を匿い、夫は、この別荘の納戸の住人となったのである。そして、夫にとっては納戸にあいた節穴は世間との唯一の接点なのである。 その節穴の先の世界に妻の現在の恋人が表れる。妻と恋人の情事。妻の恍惚とした表情、必死にこらえながらも漏れ出すあえぎ、徐々に朱が射し潤いを帯びてゆく肌・・・夫は、かつて感じたことのない欲情と嫉妬を覚えるのだった。夫に覗かれることの羞恥心、恋人に対する罪悪感を持ちながら、自らの欲望に抗い切れない妻は、同様に未体験の興奮を感じている自分に気付く。それは、いつしか夫の存在さえどうでも良いものにしてしまう程のものだった…。
 
©2001`Warau kaeru' Film Partners
©2001`Warau kaeru' Film Partners
 
3月1日(日) 14:00~

タイトル: 14歳
監督: 廣末 哲万
製作年: 2007年
上映時間: 114分
解説: 映像ユニット「群青いろ」の第16回PFFスカラシップ作品。監督・主演は廣末哲万、脚本は高橋泉が担当。14歳の頃に受けたトラウマを癒せないままの大人と14歳の子供が、交流することで生まれるかすかな希望を描く。自主映画『鼻歌泥棒』に続き、本作でもロッテルダム国際映画祭2007最優秀アジア映画賞に輝いた。 自分を放火犯扱いした教師を刺してしまう14歳の深津稜。事件から12年後、彼女(並木愛枝)は心に傷を負ったまま、中学校の教師になっていた。ある日、中学校の同級生だった杉野(廣末哲万)と再会。深津の教え子にピアノを教えているという。彼もまた、14歳の頃に大好きだったピアノを大人の暴言から諦め、心に受けた傷を癒せないでいた。トラウマを抱えたまま大人になったふたりが、自分たちと同じように悩みながら今を生きる14歳の子供たちと真摯に向き合うことで、過去の問題と対峙し、生きる希望を見出していく。
 
©PFF Partners
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3月1日(日) 17:00~

タイトル: パッチギ! LOVE&PEACE
監督: 井筒 和幸
製作年: 2007年
上映時間: 127分
解説: 愛する息子の病気を治そうと奔走するアンソン(井坂俊哉)と妹のキョンジャ(中村ゆり)を中心に、在日朝鮮人として生きる家族を描いた人間ドラマ。監督は『パッチギ!』の井筒和幸。 1974年、アンソンは、病気を患った息子、チャンスのために京都から東京へ引っ越してくる。ある日、駅のホームで大乱闘しているところを気のいい国鉄職員の佐藤(藤井隆)に助けられ、以来佐藤はアンソンの家族とも親しくなっていく。芸能プロダクションからスカウトを受けた妹のキョンジャ(中村ゆり)は、チャンスの治療費を稼ぐために芸能界に入り、野村(西島秀俊)と出会う。しかし、チャンスの病気が次第に悪化、日本では助かる見込みがないことを知らされる。岐路に立つ三人は、在日朝鮮人として生きる自らの運命を受け入れ、社会と向き合いながら生きていく覚悟を決める。
 
©J Cine Quanon
©J Cine Quanon
 
3月1日(日) 20:00~

タイトル: 透光の樹
監督: 根岸 吉太郎
製作年: 2004年
上映時間: 121分
解説: 映像制作プロダクションの社長・今井郷は、仕事で訪れた石川県鶴来で、若い頃に取材した刀鍛冶・山崎火峯の娘・千桐と25年振りに再会した。多額の借金を抱え、寝たきりになった父の介護をしながら、離婚した夫との子である眉と3人で暮らしている千桐。そんな彼女に、くすぶっていた想いを蘇らせた郷は、借金を肩代わりする代わりに愛人にならないかと話を持ちかけるが、果たして千桐はそれを承諾した。春、郷と千桐は金沢で結ばれた。交われば交わるほどに、深まっていくふたりの気持ち。しかし、その時既に郷の体を病魔が蝕んでいたのだ。直腸癌。だが、延命治療より千桐との逢瀬を選んだ彼は、再び石川を訪れると千桐と激しく求め合った。千桐のもとに郷の訃報が届けられたのは、それから半年以上が経った頃のことだった―。15年後の平成16年。年老いた千桐は、アルツハイマーにかかっていた。最早、眉のことも孫のことも分からない。それでも、彼女が幸せそうに見えたのは、郷との愛を貫いたからなのだろう……。
 
©EMBERS Film Partners
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