古都Cesis(ツェーシス)

 ツェーシスは首都リガから80kmほど北東に位置する、小さいながら歴史ある街である。人々は穏やかで、街全体にのんびりした雰囲気が漂う。こじんまりした街の中心部には、ツェーシス城、聖ヨハネ教会、ラトビア最古のビール醸造所など歴史ある建物のほか、自然あふれる公園など美しい街並みが凝縮されている。ツェーシス城ほとりの公園は、池を中心に緑に囲まれた遊歩道が整備されており、日々季節の移り変わりを感じることができる。この池に暮らす白鳥やカモは人をあまり恐れないため、手が届く距離で観察することができる。まさに地元民の憩いの場である。
 
ツェーシス城
ツェーシス城
ツェーシス城
ツェーシス城

 普段は小さく静かな街であるが、夏になると市街地のリガ通りを中心に地元民や観光客で賑わう。毎年7月下旬から8月中旬にかけてツェーシスアートフェスティバルが開催され、市内を中心に様々な場所で美術展、音楽コンサート、オペラなどたくさんのイベントが目白押しである。各チケットも数百円ほどからと、手頃な値段で楽しむことができる。今夏フェスティバルの最終夜には、ツェーシス城下の野外ステージでオペラ(セビリアの理髪師)が上演され、劇場公演とは違う面白さがあった。アートフェスティバルだけでなく、週末には教会などで音楽コンサートも度々行われており、気軽に音楽を楽しめる。秋になると通りを歩く人の姿は一気に減り、閉店するレストランや土産物屋も多い。春が訪れるまで、人々はどうやって過ごしているのか謎である。
 
ツェーシス城
ツェーシス城
聖ヨハネ教会
聖ヨハネ教会

 ラトビアでは歴史的な背景から、年配の人を中心にロシア語を話せる人が多い。またロシア系住民も人口の35%ということで、首都リガでは人々の会話でロシア語を耳にすることが多い。けれどツェーシスではあまりロシア語を聞くことはない。さらに街中にはロシア語のみならず、英語の表記もほとんどない。ラトビアの中でもラトビア人の割合が高く(85%)、最もラトビアらしい街と言われるのがよくわかる。私はラトビアに来てからラトビア語を勉強し始めたのだが、日々の生活で英語が使えずラトビア語で何とかするしかない場面も多々あり、語学学習にはもってこいの環境である。
 
ツェーシス城公園
ツェーシス城公園
ラトビア最古のビール醸造所
ラトビア最古のビール醸造所

 さてツェーシスでは、夏の観光シーズンに近隣諸国からの観光客をよく見かけるが、アジア人を見かけることは滅多にない。役所で聞いたところ、私たち親子以外にこの街に住むアジア人はいないようである。必然的に目立ってしまうのが少し恥ずかしいところ。外を歩いていると、地元の人に話しかけられることが度々ある。子供達は明らかな外国人に興味津々なのか、よくあいさつをしてくれる。市場に行けば、売り子のおばちゃん達の視線を集めることになる(ジロジロではなくチラッチラッと・・・)。ツェーシスへ観光に訪れる際は、有名人にでもなった気分を味わっていただきたい。 (Cesis在住 N.Mさん)