ラトビアと日本のボブスレー代表チームによる合同合宿

平成25年10月4日
 9月上旬の秋空の下、ラトビアでボブスレー日本代表チームとラトビア代表チームの合同合宿が行われました。

 ラトビアはボブスレーの強豪国です。昨年2月にソチで行われたボブスレー・ワールドカップでは、男子4人乗りでOskars Melbardis氏率いるラトビア・チームが金メダルを獲得しており、来年2月にソチで開催される冬季オリンピックでも、メダル獲得が大いに期待されています。ラトビアの強さは最近のことではなく、かつてのソ連代表チームは半数以上がラトビア人で構成されており、1984年のサラエボ冬季オリンピックでもメダル(銅)を獲得しています。

 日本代表チームがラトビアの代表チームとの合同練習に臨んだ背景には、両国ともにボブスレー連盟が小規模であり、活動資金が潤沢ではないというところで共通している一方で、ラトビア・チームは、十分な資金をもつドイツやアメリカ、スイスなどの強豪国に劣らない実力を有している事情があります。昨年の夏、ラトビアに注目した日本代表チームの石井コーチと選手2名がラトビアのボブスレー連盟に問い合わせ、最初のラトビア・チームの練習への参加が実現しました。そして今年は、日本代表チーム全体での合同合宿が行われることになりました。ボブスレー界ではまだ実績不足の日本チームの練習参加を、ラトビア側は快く迎えてくれ、親身に協力してくれたそうです。

 ラトビアの選手は、大きな体格から生まれる運動能力のレベルが高く、練習に取り入れられている短距離や砲丸投げでも、それぞれの競技の選手顔負けの記録を打ち出していました。石井コーチによれば、ラトビアのボブスレー連盟役員は、全員が以前は現役として活躍していた選手で、そこから培われた経験が現役選手の強化に生きており、また、役員・コーチ・選手が仕事を掛け持ちすることなく、それぞれが専任でボブスレーに取り組む環境が整っており、一丸となって勝利に向かっていくことができるそうです。そして、日々の練習の中で、時間に正確に協調性を持って、皆が競技に対して真摯に向き合っているといった要素も加わって、ラトビアを強豪国たらしめているとのことです。

 日本代表チームの山本強化部長、石井コーチ、そして6人の選手が真剣に練習に取り組む様子からは、ラトビアの代表チームに劣らない競技に対する熱い思いや、強くなる事への決意が伝わってきました。昨年と今年の2度に渡っての合同合宿を通じ、日本チームが力を伸ばしていくための具体的な課題がラトビア・チームから示され、それらの課題を日本チームがクリアしつつ、再度ラトビア・チームとの合同練習が実現すること、そして、日本代表チームがメダルを獲得する日も遠くないことが期待されます。
 
日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟
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秋晴れの中、ダウガヴァ・スタジアムでの合同練習風景
 
ハードルや砲丸を利用しての練習

ラトビア代表チームのコーチと日本代表チームの山本強化部長・石井コーチ
ラトビア代表チームのコーチと日本代表チームの山本強化部長・石井コーチ

合同練習の全メニュー終了後の集合写真
合同練習の全メニュー終了後の集合写真