オヤールス・ライモンズ・パウルス氏への勲章伝達式を行いました。

令和3年8月16日
 8月16日、大使公邸において、令和2年秋の外国人叙勲にて旭日中綬章を受章されたオヤールス・ライモンズ・パウルス氏への勲章伝達式を執り行いました。

 式典では、日本・ラトビア間の文化交流及び当地における対日理解の促進におけるパウルス氏の多大な功績に対して、川口大使からパウルス氏へ勲記と勲章が手交されました。
 
 川口大使はスピーチの中で、「今年は、日ラトビア友好100周年です。この良き日に、両国の友好関係を強く願っていただいているラトビアの要人の皆様と一緒にこの式典を行うことは大きな喜びです」と述べ、パウルス氏が作曲した「百万本のバラ」(ラトビア語原曲は「マーラが与えた人生」)について、「この楽曲は日本でも大変人気が高く、日本の人々に広く浸透しています。また、パウルス氏は音楽を通じて両国間の様々な交流の発展にも寄与されました。特に、ルーイエナ町と日本の東川町の姉妹都市関係を推進されました。」と述べ、パウルス氏が築かれた関係を基礎に、日本とラトビアが今後も長く友好関係を発展させていくことを願っている旨述べました。また、パウルス氏の末永いご健康とご多幸を祈念しました。
 
 パウルス氏は、「天皇陛下、日本政府、そして日本国民の皆さまに感謝します。日本は特別な国であり、世界は日本から多くのこと、特に日本が古き良き文化を守り続けていることなどを学ぶことができます。私たちは皆、日本でオリンピックが成功裏に開催されるのを目にしました。困難の中でも、日本はうまく対応しており、物事を正しく進めることができます。」と、叙勲への謝意を述べられました。
 
 叙勲伝達式には、国会、大統領府、外務省、文化省からもご来賓の方々に出席いただき、パウルス氏へのお祝いの言葉を頂きました。一部抜粋してご紹介いたします。

○ムールニエツェ国会議長「この叙勲伝達式が、日本によるラトビア共和国の法律上の承認100周年を祝う同じ年に行われることは非常に象徴的です。地理的にラトビアと日本は遠く離れていますが、私たちは志を同じくする国です。私たちは共通の価値観、過去と伝統に注意深く耳を傾ける態度、自然、音楽、詩への愛情によって結ばれています。」
○レ・ガラ国会副議長「私たちの音楽による功績が、世界的に、そして今回、日本で認められたことを大変うれしく思います。パウルス氏によるひとつのメロディーが、他国の人々の魂をゆさぶり、そのインパクトが長年にわたって続くことは素晴らしい功績です。」
○エグネレ国会副議長「この勲章は、パウルス氏による数多の功績のうちの1つに対する名誉と敬意の表れです。これに私は敬意と称賛を表したいと思います。このような素晴らしい場に、我々をご招待いただきありがとうございます。」
○ベルグマニス対日友好議連会長「パウルス氏の歌は、美しいラトビアの歌の祭典で何千人もの歌手を鼓舞し、困難な時期には、彼らの心の中にラトビア主義と自由の心を目覚めさせました。」
○テイクマニス大統領府長官「パウルス氏の生産的かつ多様でユニークな創造性は、現代のラトビア文化の財産であり、我々はそれを大変誇りに思っています。パウルス氏とその楽曲は、ここラトビアはもちろん、他の多くの国々、そして日本でも非常に愛されています。」
○ルカシェヴィッツァ外務省政務官「旭日中綬章の授与に際し、ラトビア外務省を代表して、お祝い申し上げます。これは間違いなくラトビア共和国にとって大きな名誉です。」
○ヤンソンス文科省政務官「ナウリス・プントゥリス文化大臣より、大使、マエストロ、そしてゲストの皆さまに御挨拶を伝達いたします。国や社会をひとつにする音楽の力は、大変素晴らしいものです。」
 
 同氏の代表曲「百万本のバラ」をカバーしたことで知られる歌手の加藤登紀子氏や、ラトビア語原曲「マーラが与えた人生」を日本語訳詞でカバーした小田陽子氏、パウルス氏の招待を受けて2008年の「歌と踊りの祭典」にゲスト出演された安藤史子氏、パウルス氏が東川町=ルーイエナ町の姉妹都市関係を結ぶきっかけを作ったことから、松岡・東川町長、グラドキンス・元ルーイエナ町長からも、お祝いのメッセージをいただきました。参加者は、2015年に加藤登紀子氏がリエパーヤ交響楽団とともに日本とラトビアの各地で共演した「百万本のバラコンサート」のビデオを楽しみました。
 
 在ラトビア日本国大使館は、オヤールス・ライモンズ・パウルス氏による日本・ラトビア間の交流及び当地における対日理解の促進等、数々の功績に対して深く感謝するとともに、改めて、この度の叙勲受章を心からお祝い申し上げます。
 

勲記を手にするパウルス氏と川口大使

 

パウルス氏と川口大使、大使夫人
 

パウルス氏を囲んでの参列者集合写真